こーどのメモ帳

作品の感想や考えたことのメモです。人に見せる用の記事になってない場合もありますのでご注意ください。

2001年宇宙の旅を見て

2001年宇宙の旅を見ました!HALが歌う「デイジー・ベル」の悲壮感が忘れられなくて(大学の授業で見せてもらった)ずっと見たいと思っていた作品でした。アマプラで見れてラッキー。

◎お猿さんとモノリスについて。「縄張り争いの手段としての威嚇→モノリス漂着→それに惹かれるお猿さんズ→お猿さんズとモノリスのふれあい→食料調達や縄張り争いの手段としての暴力」というような流れでお猿さんの行動は変化していきました。明らかにモノリスとの触れ合い前後で彼らの攻撃性は増し、それこそが人類の夜明けであるような描かれ方がされていました。

◎HALの感情について。HALが暴走を始める前のインタビューで、「HALは感情を持つか?」という疑問がインタビュアーによって投げかけられていました。クルーの答えとしてはあるかないかよーわからんって言う答えでしたが、そもそも感情ってなんなんでしょうね。コンピューターの受け答えから受け取れる「感情のような何か」は、人間の受け答えを学習したコンピュータが独自の回路から導き出した返答の最適解の集合体から浮かび上がってくるものです。それはあくまで本物(?)の感情を持つ人間の反応を真似たモノであって、あくまで真似にすぎないから生の感情を持つとはいえないという意味で考えれば、コンピュータは感情を持たないという結論になります。ですが、人間の持つ感情がコンピュータの持つ感情と全く違うモノだと言い切ることができるかと言われるとそれまた謎です。人間は人間で脳内に回路を持つ機械と見ることもできて、一人の人間の外からの刺激に対する反応は生まれてからの学習によって形作られています。その学習による反応から浮かび上がるモノとして人間の感情を捉えるなら人間と機械には同じ種類の感情が芽生えているとも見ることができます。

◎HALの暴走について。先ほど描いたような"感情"をもつか持たないか問題を暴走の前のシーンで強調していたことから、暴走自体がHALくんが感情を持ってしまったから起きたことだとみるのが自然だと思います。

HALくんのおめめが登場する度に「私は絶対に間違えない」というHALくんの声が聞こえて来る感じがして怖かった怖かった。地球に危害を及ぼし得る木星の地球外生命体の調査というバカでかい使命とたった5人の人間の命がHALくんの中で天秤にかけられて、真っ先に5人の命がスポーンッと真上にスッ飛んでったんだねって思いながら見てました。このHALくんの姿勢は「絶対に間違えることのないHALくん」のものであり、"今回の作戦の成功には自分の存在が不可欠+今までの学習にない地球外生物を相手取ることから、自分は間違えないと信じているがミスは起こりうる→いかなる状況でも自分を見捨てないクルーであることを見極める必要がある→試した結果、どうも見捨てられそう→見捨てようとする奴らを皆殺しにすればOK!"という論理のもとに導き出された結論だと思います。